モンゴル国とのかかわり
2003年から福井県立大学の生物資源学部
はモンゴル国立農業大学(Monglian State University of Agriculture:MSUA)と研究者交流提携を結びました。私はその2回目の派遣研究者として2005年に初めてモンゴルを訪れました。アジアの国としては台湾、韓国、ベトナム、シンガポールを
訪れたことがありますが、稲作を中心とした農業を営むこれらの国の文化は日本と基本的な類似点があります。しかし、遊牧を中心とするモンゴルは私の目にはまるで違う世界に見えました。同じ遊牧を中心とした国、アラブ首長国連邦とも違いました。
2年後の2007年にも交流で再訪しました。その際にモンゴル国立農業大学の付属研究機関である植物保護研究所(Institute of Plant Protection)と共同研究をする計画を立てました。
(法)財団法人福井県大学等学術振興基金助成事業の助成を受けることができ、「モンゴルにおけるネギ属遺伝資源の収集とその利用に関する国際共同」と言うテーマで、2008年から2010年まで3回にわたって現地調査を行いました。
2014年3月に福井県立大学を定年退官した後、京都学園大学(現・京都先端科学大学バイオ環境学部)に赴任しました。そこで、学生を海外研修に送り出す
プログラムの一つとして、モンゴルを選びました。京都学園大学はウランバートルにあるイフ・ザスグ大学(Ikh Zasag University)
と交換留学協定を結んでおり、受け入れをして頂くことになりました。また、共同研究を行ったモンゴル生命科学大学(Mongolian University of Life Science
旧・モンゴル国立農科大学)の植物保護研究所も受け入れてくれることになりました。2010年に調査旅行を終えた時点では
もうモンゴルに来ることも無いのでは、と思いましたが、思わぬ進展で学生とともに再訪して彼らにモンゴルを知ってもらえ、また旧知の人たちに再会することができたのは本当に幸せでした。
このホームページでは2005年から13年間にわたるモンゴル訪問で撮影した写真を中心に、モンゴルの紹介をしたいと思います。
モンゴル国調査旅行の概要
福井県立大学-国立モンゴル農科大学との研究者交流で2回訪問しました。1回目は大学関係とウランバートル市内を訪問した後、ました。2回目はウランバートルを出て、北200kmほどにあるダルハンの大学付属の植物科学農業研究所 (Plant Science and Agricultural Research Institute)へ行きました。ダルハンは下の地図のブルーで示した場所です。2回目はまず大学とウランバートルを離れて、テレルジ、マンズシール、それに100kmほどは慣れたところに ある大学の付属実習農場へ行きました。なお、2018年9月には、MSUA創立50周年の記念行事に招待して頂き、4日間滞在しました。
2回モンゴルを訪問した結果、共同研究をしようと言うことになりました。モンゴルは広い国土に手つかずの自然が多く残されており、野生植物には興味深いものが多くあります。その中でもネギ属(teiAllium属)植物は40種以上が分布しています。 そのネギ属の中で、日本の葉ネギの祖先とも言われているAllium altaicumに注目しました。このネギはモンゴル全土の標高2,000m以上の山地に自生しており、地理的な変異があるかどうかを見ようというプロジェクトを立ち上げました。 幸い、福井県立大学のファンドを得ることが出来、2008年から3回にわたって調査を実施しました。調査地点は下の地図です。2008年にはウランバートル周辺(緑のマーク)、2009年にはゴビ・アルタイ山脈の東側(赤のマークの右半分) とハンガイ山脈(黄色のマーク)、そして2010年にはゴビアルタイ山脈の西半分へ行きました。
2008年の調査はウランバートルのホテルに滞在し、日帰りで調査地を訪問しました。その後2回の調査は泊まるホテルなどがほとんど無い地域だったので、野営が中心になりました。移動は2台の車でベテランの運転手が付いてくれました。 野営の際の食事は大学が選んでくれたスタッフが担当してくれ、主にウランバートルで仕入れた食材と水で結構おいしいものを食べていました。一度強風で夜にテントが倒されたこともありましたが、快適なテント生活を送ることが出来ました。 特に、全く光のない世界での満天の星を眺めるのは最高でした。
道があるような無いような場所を行きます。 | 岩がゴロゴロ転がっている谷筋を登ります |
増水した川を強行突破! | 現地スタッフによる食事の準備 |
野営地 |
Chandmani の西での野営地の朝 |
野営地の地平線に日が沈んでいきます |
星空。銀河です。 |
京都学園大学 モンゴル短期研修の記録
2015年8月10日~8月15日 |
下見のため、国際交流センターのOさんと。 |
2016年8月25日~8月31日 |
引率教員2名、学生10名。 |
2017年8月24日~8月30日 |
引率教員1名、学生9名 |
2018年8月30日~9月6日 |
引率教員1名、学生6名 |
研修内容
イフ・ザサグ大学の見学と日本語を学ぶ学生との交流 |
Visit Ikh Zasag University |
国立モンゴル生命科学大学植物保護研究室の見学 |
Visit Institute of Plant Protection, Mongolian University of Lifescience |
ウランバートル市内の寺院・博物館の見学 |
Visit temples and museums in UB |
テレルジのツーリストキャンプで1泊2日。自然環境と研修 |
Field work in Terelj, Bumban Tourist Camp |
イフ・ザサグ大学Ikh Zasag Universityへの訪問。大学の概要を聞いたり、学生と交流しました。 |
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モンゴル国立生命科学大学の植物保護研究所では所内を見学しながら研究の内容を聞きました。その後スタッフと一緒に昼食を頂きました。 |
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テレルジではブンバン・ツーリストキャンプに宿泊して自然観察やラクダや馬に乗る体験をしました。 |
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