1990年2月から5月まで、2ヶ月半を仕事のためにペルーに滞在しました。出発する約1ヶ月前、出勤途中の車の無線機を聞いていると珍しく英語でCQを出しているペルーの局を発見しました。すぐに呼んでみるとリマ在住のOA4BJMでした。ペルーへ行く旨を話し、 彼の家の電話番号を聞きました。仕事で滞在したのはリマの北約80kmにあるワラル(Huaral)と言う小さな町でした。到着して少し落ち着いた1週間後に電話をしてみました。当時ワラルからリマへは自動ダイヤルではなく、交換手を介しての呼び出しでした。 子供の頃の電話を思い出して懐かしかったです。待つこと1時間以上、ようやく交換手が電話をつないでくれて連絡が取れました。このようにして彼とアイボールQSOができ、他の数多くのハム達と交流することができました。 なお、ペルーのハム事情についてはCQ ham radio誌(CQ出版社)1990年8月号p.404に投稿しています。
OA4BJM Alex
Alexの家はリマのリブレ地区の住宅街にあります。最初に訪れたときはタワーに登って溶接作業中でした。彼は技術者で、タワーもアンテナも自作していました。ここで聞く14MHzバンドは、南米各地と北アメリカが非常に良く聞こえ、日本とは
まるで違った感触でした。また、当時のペルーは電話網が発達していなかったためフォーンパッチがアマチュア無線の重要な業務の一つであることを知りました。彼の家にいる間も2度ほど依頼の電話がかかり、Alexが7MHzバンドで目的地区を呼び出して
つないでいるのを見ることができました。
彼の家には結局2回お邪魔しました。2回目は2泊させてもらい、ゲストオペレーターとしてOA4/JA3RTU のコールサインで運用し、早朝からオープンしたので日本の局多数と交信できました。また、ペルー無線クラブ(Radio Club Peruano)にも
彼が連れて行ってくれました。
OA4BJMのシャック トランシーバーはYaesu FT101 手前の赤い電話はフォーンパッチ用 |
自作の14MHzモノバンドYagi-Udaアンテナ 潮風のためにリフレクタが折れてしまっている |
Radio Club Peruano ペルー無線クラブ
ペルー無線クラブは1930年に創設され、リマ市内のサン・イシドロ地区にあります。建物は立派な3階建てのビルです。何よりも目を引くのはその年(1990年)の3月に立てたばかりの直径7mのEME(月面反射通信)用パラボラアンテナです。 地元の新聞でも報道されていました。ここではクラブの会長を始め、主だったメンバーに会うことができました。中でもOA4BC Carlosは無線技術者ですが、日本滞在中にNHKのスペイン語講座に出ていたそうです。クラブではちょうどアマチュア 無線養成講座が行われていました。また、ペルーのQSLビュローもここに置かれています。(1990年3月31日)
ペルー無線クラブのメンバー |
記帳するJA3RTU |
クラブで行われていたアマチュア無線養成講座 |
QSLビュロー |
OA4O Radio Club Peruano
メインのオペレーションルームは飛行場の管制塔を思わせるような見晴らしの良いガラス張りの部屋で、HF用のトランシーバーはアメリカ、コリンズ社のS-Lineでした。その他、UHF/VHFのリグも並んでいました。
OA4Oのアンテナ |
オペレーションルーム |
EME用の制御設備 |
EME用のリニアアンプ |