ブーシュ・デュ・ローヌ Département Bouche-du-Rhône
ブーシュ・デュ・ローヌ県はフランスの南西に位置し、県都はマルセイユです。プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏に属しています。県の名前は「ローヌ川河口」という意味で、アヴィニョンを通って流れてきたローヌ川は県の西部アルルで小ローヌと大ローヌに分かれ、小ローヌが県境になります。この二つの川は広大な三角地帯、カマルグを形成して地中海に注いでいます。県の北には山脈があり、アルピユ自然公園(Parc Naturel Régional des Alpille) などがあり、自然に恵まれています。カマルグはヨーロッパ随一のお米の産地ですし、自然公園になっており、ぜひとも行きたかったのですが、今回は時間の都合で残念ながら訪れることは出来ませんでした。 |
エクサン・プロヴァンス Aix-en-Provence
ここを訪れるのは6年ぶりです。紀元前、ローマ時代から栄えた街で、今では学術、芸術の中心地でもあります。作曲家ダリウス・ミヨーもこの街で生まれ、その名を冠した音楽院があります。
また、セザンヌが生まれた街としても有名で美術館もあり、歩道に銘板が埋め込まれているのも印象的です。トルス(Torse)川とアルク(Arc)川に囲まれた盆地にあり、豊富な水資源に恵まれ、街のあちこちに湧き水や噴水があります。
その中でも一番大きいのが街の中心部、ミラボー広場(Cours Mirabeauの端にあるロトンド噴水(Fontaine de la
Rotonde)です。噴水の中には水温が年中18度あり、苔やシダがびっしり生えているものもあります(Fontaine moussue)。 |
Conservatoir de Dalius Milhaud |
Fontaine de la Rotonde |
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Place Forbin |
Place d'Albertas |
Fontaine de Quatre Daufin |
Fontaine moussue |
今回、街の中心にあるミラーボー広場を歩いていて気がついたことが二つあります。一つは車が完全に閉め出されていることです。最近のヨーロッパの都市の中心部は一般の車が入れなくなり、代わりにバスや路面電車(tram)を導入しています。 景観と環境を守るための措置です。もう一つはうっそうと茂っていた街路樹が一部でなくなり、新しい若木が植えられていました。自然災害のせいでしょうか。災害と言えば1999年12月に ヴェルサイユ宮殿庭園に多大な被害を与えた嵐を思い出します。 あのときは1887年にマリー・アントワネットが植えたとされるユリノキの巨木も含めて20万本の樹木が倒れ、宮殿正面から大運河へ向かうプロムナードの景観が一変したのを思い出します。自然災害、恐るべしです。 |
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2013年のミラボー広場(左)と今年同じ場所で写した写真(右)。 |
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エクサン・プロヴァンスのお菓子と言えばヌガーがあります。ヌガー専門店や、マルシェに出ている店では大きな塊を切って量り売りしています。味見を頼むと色んな種類のヌガーを切ってくれます。 また、ジャムの老舗もあります。数え切れないほどの種類のジャムをそろえています。もちろん食味は大丈夫です。
マルシェのヌガー屋さん |
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老舗のジャム屋さん La Chambre aux Confiture |
フランボワーズとバラの花弁のジャム |
エクサン・プロヴァンス旧市街を歩く Promenade de la vieille ville d'Aix
ミラボー広場の南の路地を歩きます。まだ午前中でしたが日が照りつける場所はかなり暑くて日陰を探しての移動です。小さなブティックがあるので、覗きながら行きますが残念ながら冷房は入っていません。サ・ジャン・ド・マルト教会 (Église Saint Jean de Malte)は13世紀に建てられたゴシック様式の教会で、ステンドグラスが美しかったです。
サン・ジャン・ド・マルト教会(Église Saint Jean de Malte) |
ミラボー広場の北へ行くと市庁舎広場に出ます。市庁舎は(Place de l'Hôtel de Ville)は17世紀にパリの建築家ピエール・パヴィヨン(Pierre Pavillon)によって建てられました。門から入るとすぐに砂利を敷いた中庭があります。 中庭はピラスター(装飾的な柱)を持った瀟洒な建物に囲まれています。広場の北西の端には16世紀に鐘楼として使われた時計塔があります。
市庁舎の中庭 Cours de l'Hôtel de Ville |
市庁舎広場と時計塔 |
時計塔の下をくぐって進むとサン・ソーヴェール大聖堂(Cathédrale Saint Sauveur)があります。この大聖堂の中央広間はロマネスク様式ですが、5世紀から17世紀に至る色々な様式を見ることができます。15世紀に建てられた八角形の鐘楼が美しいです。
サン・ソーヴェール大聖堂 Cathédrale Saint Sauveur |
エクサン・プロヴァンスにはまだまだ見所があり、特に6年前に訪れたセザンヌ美術館とかも再訪したかったのですが、博物館や美術館はイタリアで散々見て少々食傷気味だったので、次の目的地に向かうことにします。
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レ・ボー・ド・プロヴァンス Les Baux-de-Provence
6月のフランスは最も日が長い時期であり、レ・ボー・ド・プロヴァンスに到着したのは夕方の7時でしたが、日は高くてまだまだ暑かったです。でも、観光客はもうほとんどおらず、駐車場も無料になっていましたが店やお城はもう閉まってしまっていました。
アルピーユ山脈の高さ200メートルほどの岩山にある小さなコミューンで、人口は400人足らずです。ここはは中世に栄え、79の村を支配下に納めており。中心になるお城は13世紀から16世紀にかけて要塞として使われました。19世紀の始めにアルミ鉱石がここで発見され、20世紀末に
掘り尽くされるまでは重要な産業になりました。ちなみにアルミ鉱石ボーキサイト(bauxite)の名前はこの村の名前に由来しています。
中世の建物がそのまま残った村の石畳の道を歩きましたが、人がほとんどいなくなって静まりかえった村の雰囲気を存分に味わうことが出来ました。
サン・ヴァンサン教会 |
サン・ヴァンサン広場 |
サン・ヴァンサン広場からの景色 Panorama du Place Saint Vincent |
エイギエール Eyguières
今回プロヴァンスで過ごした3日間の宿はアルピーユ山脈の南山麓のエイギエールに宿泊しました。エイギエールは人口7,000人余りの小さなコミューン(村)で、第2次大戦後は少しずつ人口が増えているそうです。泊まったのは友人Alexamdreの
ご両親がやっておられる民宿(Maison d'Hôtes)の La Risouleto でした。小さな村のちょっと外れの閑静な住宅街にあります。
大きな樹木が生い茂った庭、分厚い漆喰壁の家の中は外気と遮断され冷房もないのに非常に涼しかったです。到着した6月20日はAlexandreのお父さんの誕生日だったので、薔薇の花束を用意して妻が手渡しました。とても喜んで頂けました。
La Risouletoの門 |
駐車スペース |
庭 |
(←)洗面所・シャワー室と(↑)寝室 Chambre Hibiscus |
到着した日は、村の様子もよくわからないので、いらしていたオーナーの親戚の方も交えて村のレストランで一緒に夕食を取りました。シェフはこの村の出身で、スイスのベルンで働いていた方で、多国籍料理でした。醤油を使ったちょっと日本風の料理もありました。色んな話が出来て素敵な夜でした。
変わったボトルの赤ワイン |
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日中は非常に暑い毎日でしたが、朝は爽やかで気持ちが良いです。朝食はいつも庭のテラスで頂きました。3日目の朝は皆さんと一緒に写真を撮ったりして、別れを惜しみました。楽しい滞在でした。庭に咲いていたラヴェンダーの花を切って頂きましたが、 日本で栽培しているのと全く違う良い香りで、日本に持ち帰ってポプリにしました。10時半頃に出発し、約1時間でAvignon-TGVに到着、無事にレンタカーを返却しました。このようにして、楽しかった南フランスの旅は終了しました。
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